アルファ・クラブ掲載記事   アドバイス 昌平クリニック院長 鍋谷欣市

以下は、ALPHA CLUB 356号(2/'12)【私の工夫 それぞれの後遺症対策】に掲載された記事です
ひまわり 腹 鳴
flower1 マイペースで腹鳴改善
宮城県 Yさん (65歳)
  平成17年8月、胃癌で胃の幽門側を3分の2切除、リンパ節も郭清して、6年が過ぎました。
  術後は体重減少、筋力衰退、腹鳴、逆流、下痢などに悩まされました。特に「ゴロゴログー」と泣くおなかには笑ってしまうこともありました。腹鳴が始まると、子守唄を口ずさみながらおなかをマッサージしていると落ち着きます。マッサージは必須ですね。
  術後1年たった頃、今村クリニックの今村先生と出会い、体の仕組みなどを教えていただきました。栄養指導もしていただき、アルファ・クラブも紹介していただきました。
  以前から小食で、食べ方は遅いほうでしたから、苦労はありません。食材は消化の良い物を意識して選びます。ただし、軟らかい物、液状の物は要注意です。噛まずに飲み込んでしまい、ダンピング症状や、腹鳴、下痢を起こして苦しみます。「少しずつ、ゆっくりよく噛んで、食べ過ぎないようにね」との退院時の主治医の言葉をいつも心しています。
  コーラスやブリザーブドフラワー(生花を色抜きし好きな色に染めて乾かす)、ボランティア活動と忙しくも楽しく過ごしています。そして、笑いと感謝の心を忘れずに、「明るく」をモットーにしています。適度な運動と散歩のおかげで快眠快便となり、いつの間にか腹鳴も消え、おなかは平和になりました。これからも前向きに自分の体と上手につき合い、1日でもプラス・アルファ元気に長生きをと願っております。

flower2 ドクターから一言
  マイペースは、Yさん自身の腸の形態と運動法に最も適した対応であり、生活習慣に適合していたのでしょう。『己(おのれ)こそ己のよるべ、己をおきてだれによるべぞ』という仏教の理念にも似て、本当にすばらしい生活習慣を得られたことを感嘆しています。

flower1 軟らかい物もよく噛んで
北海道 Kさん (64歳)
  平成14年3月、胃癌で胃と胆のうを全摘しました。「術後は何を食べても良いです」といわれましたが、肉類や揚げ物は食べられず、できるだけ軟らかい物や消化の良い物を選びました。しかし、食後はおなかがグルグルと鳴り出し、家族から「もう、おなかが空いたの」と、からかわれることもありました。ときには大きな音で鳴ることもあり、外食時は周りがとても気になりました。
  ある日、よく噛まずに飲み込むとおなかが鳴るように感じられたので、ゆっくりよく噛んで食べるようにしたところ、鳴る回数が少なくなりました。柔らかい食べ物だとよく噛まずに飲み込んでしまうので、よく噛むようにと、おなかから注意信号が出ていたのでしょうか。

flower2 ドクターから一言
  腹鳴はグルグル鳴るので、グル音とも呼ばれています。小腸内のガスが、腸の運動の高まりによって起こるとされています。腸にやや狭いところがある場合に起こりやすいので、噛むことは最も大切な対策です。それを注意信号と自覚されたことは、すばらしいですね。痛みなどの症状も、すべて一つの注意信号なのです。

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