アルファ・クラブ掲載記事   アドバイス 昌平クリニック院長 鍋谷欣市

以下はALPHA CLUB 358号(4/'12)【私の工夫 それぞれの後遺症対策】に掲載された記事です。
ひまわり や せ
flower1 お尻の痛みに耐えながら
広島県 Kさん (83歳)
  平成18年に胃癌で胃の幽門側を3分の2切除してから5年が過ぎました。最初は経過も良好で、嘔吐や下痢もなく喜んでいたのですが、1ヵ月を過ぎた頃から体重が激減し始めたのには弱りました。術前54kgあった体重が43kgになりました。
  そのうえ便秘となり、便秘薬を飲んだり、食事法を変えてみたり、毎日2kmほど歩いて腸が活発に働くように取り組んだりした結果、3年目から、ようやく2日に1回、便が出るようになりました。
  現在はやせてはいますが、なんでも食べ、健康に過ごしています。
  しかし、やせたことによりお尻の筋肉が落ち、いすに5分以上腰掛ていると、お尻がひどく痛むようになりました。病院で痛み止めを処方してもらったり、マットやクッションを取りつけてみたりしましたが、変わりませんでした。ところが、介護用の車いすにつける硬めのクッションにしたら、痛みが少し和らぎました。今でも痛みますが、慣れてきたのか、辛抱できるようになりました。会報にお尻が痛くなると書いている方はいませんが、少しでも参考になればと思います。
  手術から5年過ぎた昨年8月に、先生から「いろいろ検査をしたが、もう癌の心配はないから病院に来なくても良い」との嬉しいお言葉をいただきました。ただ、「お尻の痛みは筋肉がつかないとだめだろう」といわれました。筋肉をつけるために体操やグランドゴルフをしていますが、年齢的にも、筋肉をつけるのは難しいように思えます。
  このまま一生、お尻の痛みをかかえながらも、元気に明るく過ごしたいと思っています。

flower2 ドクターから一言
 やせ過ぎて、いすに腰掛けるとお尻の痛い方は、実際にはかなりおられると思いますので、たいへん参考になるでしょう。子どもの水泳用浮き輪で中央部が抜けているのが良いという方もおられます。5年を過ぎて再発がないとのこと、一病息災のことわざのように明るい長寿をお祈りいたします。

flower1 やせて良いこともある
長野県 Iさん (63歳)
  平成14年3月、胃癌で胃と胆のうを全摘しました。術後は食欲がなく、少しでも食べると下痢になり、10ヵ月過ぎた頃には体重が術前より20kgも減りました。おかげで体力はなくなり、疲れやすく、つらい日々でした。鏡に映るシワシワな自分の姿を見ては情けなくなりました。
  しかし、術前の私は太り過ぎていてダイエットに苦労していたので、それを思うと洋服がLからSサイズと20代の頃に戻れたことは良いことだと前向きに考えました。娘からも「スマートでいいわね」とうらやましがられています。

flower2 ドクターから一言
  やせたことは、その状態で変動がなければバランスのとれた状態なのです。20代の体重に戻れたことは、良い面も多いはずです。体力の低下と疲労には、漢方の十全大補湯(ジュウゼンタイホトウ)を服用してください。体力の回復を実感するはずです。何事にも前向きに考えると、きっと楽しい人生があるはずです。

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