アルファ・クラブ掲載記事   アドバイス 昌平クリニック院長 鍋谷欣市

以下は、ALPHA CLUB 359号(5/'12)【私の工夫 それぞれの後遺症対策】に掲載された記事です
ひまわり 嗜 好 の 変 化
flower1 ご飯が食べられなくなる
京都府 Mさん (70歳)
  私は現在70歳の歯科医です。30歳の頃から友人の内科医に命を預け、毎年、内視鏡などの検査を受け、1年間の命の保障をいただいておりました。
  しかし、今から8年前に胃に変化が生じ、平成17年3月1日に、胃の幽門側を3分の2切除しました。早く適切な処理をしていただいたおかげで、現在でも、毎日、ハードな歯科診療や歯科医師会の会務、ゴルフにと動き回っております。
  術前は体重が70kgを超え、白米のご飯とお肉とお酒の大好きな人間でしたが、術後は白いご飯が全く食べられなくなり、肉類もほとんど欲しくなくなりました。逆に、今まであまり食べなかったパンやケーキなどを食べるようになり、家族を困らせておりました。
  そこで自分なりに考えて、すし飯や焼き飯にしたり、海苔ご飯にしたりして、白米が食べられるように努力してきました。しかし、以前に比べると食は細くなり、体重も58kgほどに減りました。年齢を考えると、これで良いのかなと思うとともに、神様、仏様が私に「このような環境で生きなさい」といっておられるような気がします。
  東日本大震災で被災された方々を思うと、これくらいの後遺症は悩みのうちには入らないと考え、毎日、精力的に働いています。
  このような体験談で皆様のお役に立てたかわかりませんが、自分がこの地球上で一番の悲劇の主人公などと考えず、すばらしい人生をくださった神仏に感謝しつつ、前向きに生きようではありませんか。

flower2 ドクターから一言
  会報の「私の工夫」における嗜好の変化を、最近の20名の方々についてまとめると、手術後、食べられなくなった食物は、牛乳が9名、白いご飯が5名、酒が4名と上位でした。逆に好きになった食物としては、チーズ、ヨーグルトが6名、パンが5名と上位でした。人によって異なりますが、何よりもプラス思考で前向きに生きることはすばらしいことです。

flower1 薄味が好みに
青森県 Kさん (60歳)
  平成14年3月、胃癌で胃と胆のうを全摘しました。後遺症は思ったほどひどくはなかったのですが、食べ物の好みは全く変わりました。以前は、イモ類はあまり好きではなかったのですが、ご飯よりもイモ類、特にサツマイモを食べるようになりました。また、牛乳もだめで、ヨーグルトやチーズにしましたが、ヨーグルトも固形でないと食べられません。
  食べ物の味付けも濃い味が好みだったのですが、今ではすっかり薄味になりました。スーパーなどで売っている惣菜物は、味が濃くて食べられません。でも、体のためには薄味のほうが良いのですね。

flower2 ドクターから一言
  後遺症はひどくなかったようですが、食べ物の嗜好は全く変わられたのですね。好みの物を食べることは、自分の体が欲求しているので、たいへん良いことです。薄味のほうが体に調和し、吸収されやすく、エネルギーへの変換も容易になると思います。

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