漢方掲載記事

以下は、健康雑誌『安心』2012年2月号(マキノ出版)に掲載された記事です。

clover ハトムギの美肌成分が皮膚の新陳代謝を促進!
  ガンにも効くと今注目のハトムギ 医療ジャーナリスト 石川 恵美子

clover ハトムギの美肌効果が科学的に証明された!
  古くからイボ取りの特効薬として知られる「ハトムギ」が、今ホットな話題を集めています。ハトムギの美肌効果が科学的に証明され、ハトムギから美肌成分が発見されたのです。
  これを発表したのは、20年間ハトムギの研究をしてこられた金沢大学の太田富久教授(薬学部)と、鈴木信孝教授(医学部)。ラットの皮膚細胞にハトムギから抽出した美肌成分を与えたところ、与えなかった皮膚細胞に比べ、1.7倍も皮膚細胞の増殖が盛んになりました。
  つまりそれだけ、肌の新陳代謝がよくなるということ。実際に鈴木教授が臨床試験を行ったところ、ハトムギエキスを2ヵ月間飲んだ女性はシミが薄くなり、色が白くなったそうです。
  このハトムギ効果は、NHKの『ゆうどきネットワーク』でも取り上げられ、女性の間でハトムギへの関心が一気に高まっています。
  ハトムギは、イネ科の1年草で、秋にジュズ玉のような実を付けます。これを脱穀して種皮を取り除いたものが、生薬(漢方薬の原材料となる天然物)のヨクイニンです。ハトムギは食品、ヨクイニンは生薬なので作用の強弱はありますが、基本的には同じ作用を持っています。

  金沢大学の研究によってハトムギの美肌効果が脚光を浴びていますが、今をさかのぼること50年前、1950年代からハトムギを研究し、抗ガン作用を発見した医師がいます。昌平クリニックの鍋谷欣市院長です。
  鍋谷先生は1956年、千葉大学外科の中山恒明教授らとともにハトムギに抗ガン作用があることを突き止め、1958年には「ハトムギ抽出物の抗ガン作用」を日本癌学会で発表しました。
  その後、ハトムギを配合したWTTCという漢方薬を開発し、200例以上の臨床試験を重ねて、ガンへの効果を検証。その結果を、1960年の日本癌学会で発表しています。
ハトムギの主な作用
●抗腫瘍作用
  体の表面や内側にできたイボ状のものを
  取る。イボや魚の目、ポリープ、ガンなど。
●利尿作用
  尿の出をよくして、むくみを改善する。
●鎮痛作用
  神経痛、リウマチ・関節炎などの痛みを和ら
  げる。
●健胃作用
  胃腸を丈夫にする。
●排膿作用
  化膿性の病気の膿を体外に排出する。
●美肌作用
  新陳代謝を促し、シミヤシワを予防・改善する。

clover ガン患者の延命例は数多くある
  ガンに効くWTTCとは、どのような薬なのでしょうか。
「これは、ガン抑制効果のある藤瘤(とうりゅう)、菱実(りょうじつ)、訶子(かし)、薏苡仁(よくいにん)の4つの生薬を組み合わせたもので、それぞれの学名の頭文字をとってWTTCと名付けました。この薬を使うと、ガンが20~30%小さくなって延命効果が得られます。治るとまでは言えませんが、間違いなくプラスの効果はありますね」
  そう言って、鍋谷先生は、WTTCで治療した甲状腺ガンの症状を紹介してくれました。
  Sさん(当時49歳・男性)は、進行性の甲状腺ガンで、両肺に転移がありました。甲状腺ガンは手術で切除し、肺転移ガンには抗ガン剤治療を行いました。
  ところが、副作用が激しく、1ヵ月でやむなく抗ガン剤治療を中止。WTTCを飲み始めたのは、その2ヵ月後からです。しだいに全身状態が回復し、社会復帰を果たせるほど元気になりました。Sさんはその後7年間、WTTCを飲み続けましたが、肺の転移ガンはずっと変化せず、全身状態も良好でした。
「WTTCによる、こうしたガン患者の延命例は数多くあります」と鍋谷先生。
  ヨクイニンは、最近の症例では、「翼状片」という目の病気によく使うそうです。これは、眼球の表面を覆っている結膜組織が過剰になってイボのようになる病気。進行すると失明の恐れもあります。しかし、ヨクイニンを漢方薬の越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)に加えて用いると、完治する例もあります。

「イボ、腫瘍、ガンといった皮膚に出っ張ってできるものにハトムギはよく効きますね。それらに効く中心成分は、コイクセノライド(コイコラクミン)という物質であることもわかっています」と鍋谷先生。
『安心』編集部にも、ハトムギが効いたというハガキが多数寄せられています。
「ポリープ(胃のポリープ、大腸ポリープ)がなくなった」「イボが取れた」「シ

ミが薄くなった」「肌がきれいになった」「がんこな便秘が治った」などです。
  こうした効果も含めて、ハトムギにはどんな作用があるのか、鍋谷先生に伺いました。
「主な作用として、皮膚のイボ状のものを取る抗腫瘍作用、体内の余分な水分を排出する利尿作用、神経痛やリウマチ・関節炎などの痛みを和らげる鎮痛作用、胃腸を丈夫にする健胃作用、膿を排出する排膿作用などが知られています。また、あかぎれにもよく効きますから、血流を改善して肌をきれいにする作用もあるのでしょう」
  ハトムギは、漢方薬局や自然食品店、健康食品店などで求めることができます。粉末や錠剤タイプ、皮をむいたハトムギ粒などがありますから、自分に合った方法で無理なく摂取されるといいでしょう。
  最も手軽な方法は、ハトムギを煎じて作るハトムギ茶や、クコと一緒に煎じて作るハコ茶などで取る方法です。また、ハトムギを玄米やお米と一緒に炊いたり、それをおかゆにしたりして食べるのもいいでしょう。
  ハトムギは、自然の食品なので誰が取っても害はありませんが、妊娠初期の人は控えてください。ハトムギには、体に不要なものを排出する作用があります。胎児も母体にとっては異物なので、流産の恐れがあるからです。  

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