メディア情報のご紹介 ※以下は、日刊スポーツ新聞「Dr.漢方」1994年9月18日に掲載された記事です
虫眼鏡のイラスト【ものもらい・眼精疲労】 十味敗毒湯+食生活の改善
clover眼精疲労には柴胡を含む薬
  ごく身近な目の病気に、ものもらいや眼精疲労がある。
  ものもらいは、抗生物質を使ったり、ちょっとメスを入れてうみを出せば治るが、中にはしょっちゅうものもらいができる人がいる。こういう人の場合、藤平眼科院・藤平健先生(78、千葉大卒)によると食生活の影響も大きいそうだ。「油ものをまず控えることです。てんぷらやギョーザ、ラーメン、肉の脂身などはできるだけ食べない方がいいのです。もち米もよくないですね。もち米は、お乳の出ない人には効果があるんですが、化のうしやすい体質の人では、化のうを促進する働きがあります。そういうものを控えて、野菜や海藻をよく食べるように。魚も切り身より丸ごと食べられるものを」。
  医食同源の言葉通り、まずは食生活の改善から入ることが勧められるそうだ。同時に、漢方薬では十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)がよく効く。これはおできの治療にもよく使われる薬だ。これを朝晩3グラムずつ飲んでいると、ものもらいができにくくなる。
  また、ものもらいができかけてしまったら、十味敗毒湯と一緒に排膿散(はいのうさん)という漢方薬を使うとよい。排膿散もおできや痔の治療によく使われる薬だ。例えば、朝は十味敗毒湯を3グラム服用し、夕方は排膿散を3グラム服用する。これを3日間ほど続けると、「自然にものもらいが破けてうみが出るか、吸収されてなくなる」という。
  ものもらいの場合は、あまり証に関係なく前述のような漢方薬が効くので、できやすい人は試してみてはどうだろうか。
  一方、細かい文字を見続けたり、コンピューター操作などで眼精疲労を訴える人も多い。目がショボショボしたり、赤く充血する、まぶたが重い、涙が出る、頭が痛いなどの症状が表れる。
  こういう場合、まず疑ってみるべきなのは、近視や遠視などの屈折異常。特に遠視で疲れるという人が非常に多い。ほかにも、老眼や緑内障の初期など眼精疲労の原因になる病気は多いが、だいたい眼精疲労の8割までは遠視が原因だそうだ。
  しかし、そうした病気がなく、正常な人でも目の疲れを訴えることはある。そういう場合、漢方薬で効果が高いのは、柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)をはじめとする柴胡を含む漢
方薬。苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)八味地黄丸(はちみじおうがん)補中益気湯(ほちゅうえっきとう)などもよく使われる。「漢方薬と同時に、休養をとることも忘れずに」(藤平先生)。
  特にワープロやコンピューターは1時間に15分ほど休憩をとるようにしたいもの。
休憩イラスト

cloverものもらい・眼精疲労の漢方薬
⇒十味敗毒湯 柴胡(さいこ)、桔梗(ききょう)、生姜(しょうきょう)など10種の生薬を含み、にきびやおできなど化のう性の皮膚の病気によく使われる。

⇒排膿散 大棗(たいそう)、甘草(かんぞう)、桔梗生姜から構成される。化のう性、炎症性の病気に用いられる。

⇒柴胡桂枝乾姜湯 柴胡桂枝など7種の生薬を含み、体力がなく、疲れやすい、朝起きたときに口が粘って苦い、口の中が渇く、首から上に汗をかきやすい、ヘソの上か下で動悸がするという人に向く。この薬は麦門冬湯(ばくもんどうとう)と並んで、ドライアイなど目の乾燥症状にも効果がある。ドライアイの人は麦門冬湯を夜寝る前に4グラム飲み、朝起きたときに柴胡桂枝乾姜湯を4グラム飲むというのも良い方法。続けて服用していると目の乾燥が次第に良くなるという。

  ※藤平健先生は、当昌平クリニックの創始者です。全国から多くの患者様がお見えになりましたが、平成9年に82歳で亡くなりました。
当院では、その後も藤平先生の診察のやり方を継承しています。

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